Tuesday, September 27, 2011

靴のメンテナンス(自己流ですが、。)

10年以上前に古着屋で購入したLate1940's ~50's のThom McAn のナイロンメッシュ コンビネーションシューズです。
くたびれて靴箱の奥に眠っていたので少し綺麗してみます。

Before

After約70年前の靴ですが、大分綺麗に蘇ります。
と言う事で今回の自己流ですが、メンテナンスを少し紹介致します。

まずは靴紐を外し、コバや縫い目、ソールのゴミやホコリをブラシで取り除きます。次にシューズクリーナーでレザー部分の汚れを拭き取ります。つま先の革めくれは、私の場合木工用ボンドで補修致します。
多少はみ出しても簡単に拭き取れます。ボンドが完全に乾いたら、次は乳化性のレザーローションで薄く全体に塗りこんでいきますこれだけでも大分艶が出て来ますが、古い靴で擦れや退色が有るので補色していきます。メッシュ部分は汚さない様に綿棒や指先で慎重に補色して行きます。
補色用のクリームがベストですが、無かったので取り合えず油性靴クリーム(靴墨)で補色です。
この場合、擦れや補色する部分のみで全体には伸ばさない様にします。補色が終わったら、必ず余分な靴墨は完全に拭き取ります。
*基本的に油性の靴墨はつま先とかかと(動きが無い部分)のみに使用致します。
それ以外の部分に使用した場合は割れの原因となります要注意です。再度、全体に乳化性レザーローションを塗り磨き上げていきます。では、次はコバの補色です。
コロンブスのコバインキ(革用)を使用。
とても楽に綺麗に塗る事が出来ます。
塗り終ったら完全に乾かし完成と言う人も多いようですが。
しかし、ここからもうひと手間です。コバの艶出しと防水性を考えて油性クリームのニュートラル(無色)を塗りこみます。合わせて靴底も塗っていきます。磨き上げて艶出しです。コバが蘇りました。大分完成が近づいて来ましたが、テーブルの上にヨレヨレの靴紐が、。
オリジナルだしボロいけど、どうにか生かします。まずは、70年での退色をコーヒーでごまかします。
本来は染料で染めるのがベストですが。いい香りです。コーヒーでも、しっかり染まります。では、アイロンでピシッとプレスです。次に油性クリームの、ろうの成分を利用してろう引きです。
いい加減ですが、我ながらいいアイデアでした。布でふき取り、ブラシで磨いて。なんとか生き返りました。では、ここからが腕の見せ所です。
お持ちの方は、シューツリー(シューズキーパー)を入れての作業がベストです。


充分輝いている様に見えますが、。ここからは、トゥの艶出し(ハイポリシュ)です。
まずは、油性靴クリームのニュートラル(無色)と水を少々。トゥの2/3位に薄く塗っていきます。こんな感じです。2~3滴の水をトゥに落とします。
*少なめの水の方が上手くいきますので、水はこんな感じです。重要なのが、クルームを付けた布でそのままの作業です。
*油性のクリームが付いている為、水分は布に吸収されず伸ばす事が出来ます。


本当に優しく、円を描く様にクリームを延ばしていきます
*力を入れず、優しく。


少しずつ艶が出て来ます。こんな感じがベストです。今度は、柔らかい乾いた布に換えて更に優しくスピーディーに磨いていきます。ここまでを数階繰り返します。
*一回の艶出し工程後、完全にクリームが乾くまで時間を開けると効果的です。今回はこの程度で完成です。
つま先に一枚透明の幕が張られた感じに仕上がります。やはり、 リペアやメンテナンスで蘇ります。

好きな物に対する愛情や物を大切に思う事で、よりファションを楽しむ事が出来ると思います。
革靴の手入れに関するお問い合わせが思ったより多く、UP致しました。

では参考までに、1951年 Esquire No.211の掲載広告です。
1冊の月刊誌でこれだけの掲載です。
戦後、大ブレークしたナイロンメッシュのコンビシューズでした。